吉野川源流−水源地の森
 「吉野川源流−水源地の森」は川上村が保全のために購入した森です。水源地の森は、永い間、人の手が入らず、自然の循環の中で現在の森を構成しています。面積は現在740haあります。
「吉野川源流−水源地の森」を守る
 吉野林業発祥の地・川上村では、約500年間にわたって植林が進められてきました。広大な面積のほとんどが山林で、どちらを向いても、日本三大美林の一つに数えられる吉野杉の美林が目に飛びこんできます。しかし、吉野川の源流部にある三之公川流域の一帯には、手つかずの天然林が残されていました。
 川上村ではこの貴重な天然林を後世に残すため、三之公地区約740haを購入し、「水源地の森」として保存することにしました。手つかずの森は、その生態についてまだ分かっていない部分が多くあります。川上村では、保全の第一歩として詳しい生態系調査を進める一方で、村内外の人に森の美しさ、森の大切さを実感しえる森林学習の場として活用していく計画です。雨を蓄え、川をなし、あらゆる命を支えるこの貴重な天然林を守る。この思いを胸に、川上村は「吉野川源流−水源地の森」を守っていきます。
※一般の方は入山できません。森と水の源流館が主催する「水源地の森ツアー」にご参加ください。
「吉野川源流−水源地の森」概要
位置 川上村大字神之谷字三之公川ヨリ北430番地の3
面積 740ha
財源 地域環境保全林整備事業債・辺地対策事業債
 三之公天然林は、奈良県の南東部にある大台ケ原に連なる台高山脈を源として和歌山県に流れる吉野川・紀の川の源流部にあります。 天然林というのは、まったく人が手を加えていないか、もしくは長い間人の入った痕跡のない森林のことを言います。川上村の面積の約90%は山林ですが、天然林はその約30%にしか過ぎません。 標高が480mから1,050mとかなり高低差があり、ブナ、モミ、ツガ、トガサワラをはじめ、貴重な樹木が自然の成長、交代を繰り返しています。特にトガサワラは、紀伊半島中南部と高知県東部にしか分布しておらず、「生きた化石植物」と呼ばれています。近くに国の天然記念物に指定されている「トガワサワラ原始林」があります。
(『「吉野川源流−水源地の森」環境保全のためのガイドブック』より)