源流人会活動報告
源流学の森づくり
 源流学の森づくりとは、吉野川・紀の川の源流域にある天然林の伐採跡地を、元のような森に戻そうと平成14年(2002年)から始まった取り組みです。森から木がなくなると、土砂崩れがおきたり、川の水が枯れたり、生物が棲めなくなったり、とても困ることになります。そこで、林業に従事してきた人や山と共に暮らしてきた人に習い、藪の状態のから木の種類も大きさも多様になるように間伐)し、森の再生を手助けしています。伐った木を使って、作業歩道を補修したり、土留めを設置したり、他に道具を手入れしたり、獣害対策をしたりなど、作業はいくつもあります。
 鬱蒼とした藪の状態から間伐し、森全体に光が当たるようにすると木が大きくなり、その下に次の世代が育っていきます。
持続可能な森をめざして
 100年後、里山のようなドングリの採れるナラ類も薪になるカシ類も木材になる針葉樹もある森を目指し、上下(じょうか)流域の人が交流を図ったり、山村の民俗知識を後世に伝えたり、自然観察したり、遊んだりできる場として残せるように考えています。
源流のやど
 源流学の森づくりの拠点として、2007年に山小屋を建てることになりました。設計、測量、基礎、土台も全て手作業です。雪解けの頃から取りかかり、秋にようやく棟上げとなりました。囲炉裏もあるし、畳を敷くこともできます。そして、住宅メーカー勤務の会員様と地元の大工さんから耐震性の御墨付きです。翌年にトイレと風呂を増築したことにより、宿泊も可能になりました。さらに、窯も造ったので、森づくりで手入れした木で炭が焼けます。快適なスローライフを目指して、まだまだ改良します。
源流学の森指導者講習
 源流学の森を利用し、活動したい方のための講習会です。受講者は源流学の森、源流の山小屋での活動を当館と協議のうえ、企画・実行することができます。