残暑が厳しい。川上村では朝晩は涼しさを感じるようになりましたが、日中はまだまだ暑い日が続いています。そんな中、たくさんの人々にご来場いただき、夕方の抽選会まで長い時間お待ちいただいた方もありがとうございます。ミニトートバックに川上村の自然をステンシル、木のアクセサリーづくり、自然を染めよう♪ベンガラ染め体験、流木アレンジメント、里あそび、間伐材で工作しよう!、天に向かうテントウムシ、カラー拓本、生きものタッチプール、よしくまパネル展、紀の川じるし、やまいき市、川上村の特産品、柿の葉寿司などご出店いただきました。皆様、ご満足いただけたでしょうか。そして、宿題はできたのでしょうか。森と水の源流館としても大勢の方が集まる賑やかなイベントは久々だったので緊張しましたが、源流人会会員や流域・関係団体さんのご協力のおかげで楽しいイベントになりましたこともお礼申し上げます。
「雨の森のみどりを楽しもう」をテーマに梅雨時期の雨でコケが濡れて森一面が緑に覆われるのを期待して実施。しかし、今年は梅雨入りが遅れて、まだまだ緑に染まり切っていませんでした。それでも、時に日本三鳴鳥のオオルリやアカショウビンなど初夏を代表する鳥のさえずりを聞き、森を構成する生き物を観察しながら、19名の参加者の皆さんに水源地の森の役割や森とのご縁を実感していただきました。もう一つ期待していた?ヤマビルは最後にちょこっと顔を出しただけでした。ご参加のみなさま、ありがとうございました。
「未来への風景づくり」の取り組みが行われている白屋地区にて、村内外から10名にご参加いただき、源流の里地での環境保全活動をお手伝いいただきました。「このお花の名前は?」「クワの実がなっているよ」など自然観察やおしゃべりも楽しみながら、当館の管理する小区画での草刈りや外来種植物の駆除作業をがんばりました。最初の自己紹介でなんと参加者さん同士が白屋地区の元住民さん(同級生)で、何十年ぶりかの再会!という奇跡も起こりました。当時の思い出話にも花が咲き、参加者のみなさんも含めて盛り上がり、楽しい一日となりました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。
雨が降るのか降らないのか…絶妙な天気の中、6名の参加者さんと一緒にの蜻蛉の滝で生きもの観察を行いました。ヤマビルが活動しやすい湿度環境ですが、さすがウスバカゲロウ、乾いている場所をよく知っています。雨のかからない場所に目をやると、すり鉢状のアリジゴクがアリが見つかります。アリが来るのをひたすら待っているアリジゴクには申し訳ないのですが、巣の中心部から出てきてもらい、砂に潜るための体の構造、後ろ向きに進む理由など、色々説明をさせてもらいました。足場が良く、広い場所であればアリをアリジゴクに入れて行動観察をすることができたのですが、それは各自帰ってからのお楽しみにしてもらえるよう、アリジゴクの見つけ方と発掘方法伝授しました。色々ご迷惑をおかけしたアリジゴクさん、そしてあいにくの天気にもかかわらずご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
十年一昔と言いますが、川上村の民俗文化についての聞き取り調査からすでに10年以上が経過しています。その間に、写真の復元や記録方法などの技術については進歩しましたが、当時のことを詳しく知る人が少なくなってきたのは残念ながら仕方のないことなのかもしれません。そこで、館に集まってもらったり、集落へ出かけて行ったりしてお話を伺っています。とくに、方言や地方名といったものはある世代までしか分からないもの多く、残しておかなければと焦ります。今回、地域の風習について詳しく教えてくださった参加者の方にお礼申し上げます。
春の妖精たちと言われる小さな花々が咲くこの季節、当日の天気はまさかの雪!なんとかユリワサビとクロモジの花を見ることができましたが、寒さのあまり長い時間森の中に滞在することができそうになかったので、急遽、不動窟を探検することにしました。川上村の森に降った雨が地面に浸み込み、石灰岩をとかしてできた鍾乳洞です。こちらもまた一つの源流です。川上村のきれいな水と水を守る村の人々の取り組みに共感いただけたでしょうか。足もとの悪い中、ご参加いただきましてありがとうございました。
元地域おこし協力隊隊員でジャーナリストのデービッド・カパララ氏が監督・制作したドキュメンタリー映画「吉野林業」の上映、それに先立って館内「川上村の森の歴史コーナー」の展示解説および質疑応答を午前の部と午後の部に分けて行いました。午前の部には、デービッド氏にも来ていただきました。参加者からは「吉野林業のことはよくわからないで来たが、先に森の歴史のところで説明してくれたので、この映画の意義がよくわかった」「昔の吉野林業の道具や技と今の違いが知れてよかった」などの感想をいただきました。ご参加の皆様、ありがとうございました。
吉野川源流の川上村から中流あたりまでの‘吉野’について、住んでいる、関わる、興味のある参加者のみなさんと一緒にどんな宝もの(地域遺産)があるかについて考え、話し合いました。最初に大淀町教育委員会学芸員の松田度さんに「地域の見方 とらえ方」と題し、「流域学」の視点で川上村の地域遺産とその価値をどうとらえるかを話題提供していただきました。初公開の吉野川を筏が流れている映像も見せていただきました。続いて、当館スタッフより「‘吉野’の人と自然」と題し、上中流で特徴的な人と自然のつながり事例を紹介しました。その後、参加型のワークショップで参加者同士でそれぞれの思う「‘吉野’の宝もの」を地図上に書いてもらい共有しました。中流では川沿いの巨岩や南を見た時の吉野山地の山並みを中心としたイメージを、上流では滝や多様な動植物など、それぞれに特徴的な宝ものがありました。住む(関わる)地域ごとに‘吉野’を見る視点の違いがわかりやすく共有できました。ご参加の皆様、ありがとうございました。
ESDの授業の実践報告会を実施しました。同じくESDに取り組まれている先生や関わっていただいた地域の方々、教員を目指す学生たちなどにご参加いただきました。
詳しくは近畿ESDコンソーシアムのwebページをご覧ください。
本年度に実施した調査の報告と勉強会を実施しました。当館ではこれまでにも川上村の「自然」「歴史」「文化」など様々な分野で調査しています。これらのことから村の暮らしの良いところや困っているところなども見えてきました。
内容は資料をご覧ください。
5月7日に実施した蜻蛉の滝の調査はあいにくの天候でしたが、翌週の根来山げんきの森の調査は快晴でした。イベントカレンダーの告知がヘタクソで、本当は5月以降も奇数月に実施している根来山げんきの森の調査に参加していただけなかかったのが残念です。川上村の調査では、キバネアナバチやサッポロヒゲナガハナアブ(暫定)などの奈良県未記録種が確認され、根来山げんきの森では、おそらく本州初と思われるタイワンオオテントウダマシが定着している証拠を確認することができました。
吉野川紀の川源流の伐採された森を元のような源流の森に戻そうというのが源流学の森づくりです。だんだんと木が大きく育ち、参加者の方々に作業いただくことが難しくなってきましたので、今回は人工林の伐採作業を見学することにしました。作業される方は手際よく伐採されていきますのであっという間に倒されますが、斜面の角度や木の重心、周囲の木の枝など1本1本全て違うため、日々勉強しながら経験を積んでいるというお話に一同感心するばかりです。ロープの結び方と投げ上げ方も教えてもらいました。昼食に特製ジビエ弁当を食べた後、実際に丸太を切る体験もしていただき、木に触れていただきつつ、森を保全すること、木を使うことなどのお話をしました。最後に見学に寄ったよく手入れされた人工林は圧巻です。皆様、ご参加いただきましてありがとうございました。
川上村の紅葉が見頃を迎え、心地よい秋風の中を11名の参加者の皆様と一緒に歩くことができました。色々な動物に出会えると思っていたのですが、冬支度にいそしんでいるのかムササビの食べ跡にしか出会えませんでしたが、沢沿いの木には子供の顔ほどの大きさのあるマスタケが生え、足元にはツクバネガシの実が散乱しているなど実りの秋を実感させてくれました。
このところ雨が続いていたため天気予報が更新されるごとにはらはらしながら当日を迎えました。朝からよく晴れて大変蒸し暑い、ということはヤマビルの動きが活発でした。夏の名残のクサギやイワタバコの花も観察でき、源流の水の冷たさも体感でき、17名の参加者の皆様にはのんびりと過ごしていただけたのではないでしょうか。急に冷えた風が吹いてきたので予定を早め下山して帰る道すがら、バスに乗った後で激しく雨が降ってきました。山の天気は変わりやすいですね。
主催:奈良新聞社 共催:奈良県川上村・公益財団法人吉野川紀の川源流物語(森と水の源流館) 協賛:トヨタ自動車
川上村では山と川を守り、都市にはない豊かな生活を築いていくために、河川敷や山林周辺にて以下のことを「しないでください!」とお願いしています。①火気の使用 ②ゴミの放置 ③水をよごす行為 さて、夏休みにたくさんの人が訪れる蜻蛉の滝周辺ではいったいどうなっているのでしょうか。実際にゴミを拾って分析してみました。結果は下のリンクから見てください。参加者からは「誰かが1個捨てたら次の人もまあいいかとゴミが増える」「煙草や酒瓶は大人が捨てたゴミ」「目の届かないところにゴミが捨てられている」「有料化してもルールを守らない人は抜け穴を探す」「お互いに監視できる仕組みが必要」という意見がありました。このイベントは川上村地域づくりインターンシップの学生さんたちにもお手伝いいただきました。そして、いつも公園を掃除してくださっている地域の方々、皆様ありがとうございました。
ゴミの分析結果はこちら
白い犬~Anjing Putih~さんによる吉野杉・桧のネックレスづくり、ツクルテウムテさんによるモビールづくり、根来山げんきの森倶楽部さんによ木のトンカチづくりやおもちゃの車づくり、和歌山県立自然博物館さんによるお散歩自然観察、和歌山県立紀伊風土記の丘さんによる勾玉づくり、山野草の里づくりの会さんによる紙玉鉄砲づくりやシュロバッタづくり、環境省吉野保護管事務所による国立公園のはなし、杉浦農園さんによる野菜の販売など、皆様のご協力のおかげで会場が賑わっていました。参加者さんも暑さや服が汚れることも気にされず夢中で取り組まれていました。出店者さんから新しいアイデアをいただいたり、意見交換したりできる機会にもなりましたので次はどうしようかなと考えています。
大滝ダム建設で全戸移転となった旧白屋地区では、風景や生態系を残していくため“未来への風景づくり”に取り組んでいます。当館もその1区画を見本園として管理しつつ、環境調査をしたり、外来種を駆除したり、ボランティアの方々にご協力いただきながらかかわってきました。午前は見本園から東屋にかけての草刈りと溝掃除を行いました。皆様のおかげで階段が見違えるほど綺麗になりました。午後はアメリカオニアザミとついでにシンジュ(ニワウルシ)とナルトサワギクをできる範囲で駆除しました。
村の方々からお借りした写真や資料をひとまずデータ化してあったものを少しずつ分析、整理しました。データなので大型モニターに写せば小さな部分もよく見えます。思いがけない発見などもあり、とても興味深い時間となりました。イベントとしては1回限りですが、参加者の皆様には引き続きご協力いただき、調査としては今後も予定しています。
少し早く訪れた春を感じることのできる水源地の森ツアーに10名のご参加をいただきました。河原でお昼ご飯を摂っていると、スギタニルリシジミやビロウドツリアブがせわしなく飛んでいました。木々が芽吹き始め、賑やかになり始めた水源地の森の様子や、本来なら下草が芽吹いて林床も賑やかになっているはずなのに、ニホンジカの影響で林床がむき出しになっていることや、後継樹が育っていない状況も見てもらいました。
吉野川紀の川しらべ隊初の年間通し企画にご参加いただきありがとうございました。季節の移り変わりや場所の違いによって、見られる昆虫が変化することを感じてもらえたと思います。
近畿ESDコンソーシアム(奈良教育大学他)の事業として毎年実施するこのセミナー。6月から全5回の構成で取組んできました。水の恵み、川上村のこと、吉野川紀の川の連携ことなど、森と水の源流館からの素材提案から始まり先生方による小中学校の授業の研究と実践が進められました。その実践例の中から、本日は3名の先生と2件のビデオ報告がありました。森と水の源流館が学校の授業にお役に立っていることをご紹介するだけでなく会場とオンラインでご参加いただいた約40名の方をはじめ授業づくりにかかわった教育、行政、企業・・・多様なみなさまといっしょにESDの授業づくりによって、みんなで地域の課題解決に向かうことが実感できた時間でした。まさに「授業づくりで、地域と人がかがやき、つながる!」ですね。
詳細は、近畿ESDコンソーシアムのホームぺージ内の「森と水の源流館授業づくりセミナー」で紹介されています。